dieBananaSuki

食神のdieBananaSukiのネタバレレビュー・内容・結末

食神(1996年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

これもまた面白い作品で最高だった。
先に金玉満堂を観ていて、それと同じような映画かと思って観始めたのだが、料理モチーフであること以外まったく違うし、むしろこちらのほうがケレン味たっぷりで味付けの濃い作品といううれしい大誤算(それぞれに良さがあって、金玉満堂のほうが劣っているというわけではないし私はどちらも好きだ)だった。
本作は毒(ブラックな笑い、シャウ・シンチー自身のものの見方のせいなのか人物の生々しいクズさが前面に出ている)が強めではあるし、映画の半分辺りまでは笑いよりも若干つらさのほうが勝っている。だけど、最後のお料理対決に入るとそれまでとは打って変わってとんでもなく面白くなる。それはシャウ・シンチーが軽功で海をたたっとわたり飛んで窓ガラスを突き破って会場に入ったところで完全にブチ切れてボルテージがマックスになる。008皇帝ミッションの時に出てきた横移動の人が本作では少林寺の偉い人になっていて、また横移動していたのでうれしくなって、さらに、少林寺から脱走しようとしてばれて僧侶たちにシンプルにボコられ(ふたりくらい手前で型を披露しているだけのやつがいて笑える)て、明らかに多量の血を流して引きずられていく回想が何度も繰り返されるので、ほんとに異常で笑うしかない。そこに姉御とのドラマの集大成としてのあのどんぶりや、少林寺で学んだシンプル殴りの披露(こういう積み重ねは妙にまじめなのが憎めない)があって、そこからグルメ漫画みたいなオーバーリアクションをまじめにやりだしたり、神様的なのが降臨したところで過剰さがマックスを突き抜けてもうあっぱれだと思った。
こういうの大好き。