派手さはないが、なかなか面白い着目点で、脚本の良さが味わえる作品。
もちろん「毒親を始末する正義の味方」などという日本の配給会社のいい加減な売り文句の事は無視して、内容をよく考えてみると、そこに人間の自己中心的な恐ろしさが描けているという意味での「良い脚本」ということだ。
ま、配給会社の堕落ぶりはいつもの事なのであえて触れないが、邦題含めてまったく理解していない担当者が付けたのがバレバレで笑える。
最低のダメ人間の親を「生徒のため」と理由をつけてやっちゃているのだが、結局一番ダメ人間のサイコはこの家族ってのが、かなりブラックで、クライム作品的にそこを楽しむべき映画だろう。
そして今回一番の観所が、あのお調子者演技のショーンが鬼気迫るシリアルキラーを演じきっているところ。
ホント、良い役者になったと驚いてしまった。
日本の配給会社のせいで、中途半端な感じに見えてしまうが、シニカルでブラックなクライム映画として良い出来の作品だ。
余談。
ショーンって言ったら、どうしても「アメリカンパイ」のあのいい加減野郎を思い出してしまうが、今後は今作の路線で、ハードな男を前面に出して頑張ってほしい。
でも、出演作を見てみると、あんまり仕事選んでない気がするので、何でもやっちゃうんだろうな。笑