自分が信じている世界が崩れるというのはどのような衝撃だろう？
これまで直向きに信じてきた信仰が、インチキなのかもしれない、周りから見たら変なのかもしれないと感じる。
夢見がちな少女が素敵な先生に憧れを抱くが、急に生々しく汚く荒々しい現実の大人である事に直面する。
至る所に片鱗は散りばめられていた。
でも、彼女はその違和感を、違和感として受け取らなかった。
いや。感じてはいたが、「見なかった」事にしていた。
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芦田愛菜ちゃんの演技が、素晴らしい。
主人公の大人になりきれなさを絶妙に演じきっている。
夢見がちな少女・親と密着している少女の幼さと、現実の恋愛・現実世界の嫌な面とも向き合う親友の大人っぽさの対比が目立つ。
なんで彼女は、あの選択をしたのかなぁ。どんな選択でも良いんだけど、「自分」を持った上での選択である事を願ってしまう。
お互いに優しくし合って、撫であっているのが、必ずしも良い親子関係とは言えないし、そういう意味では、お姉さんは、しっかりと「自分」を持ったのだなぁと感じた。
そして、怒鳴られるシーンでは、思わず泣いてしまったなぁ。
相手に抱いていた理想が打ち砕かれると同時に、自分の夢見がちな行為が相手に嫌な思いをさせていたという、他者と自分自身の醜さに直面したのだと思う。
単に宗教のテーマを取り上げたという話題性だけではなく、「大人になる事」「自分が信じている世界が崩れる事」という絶妙なテーマを、リアリティを持って、描いていた映画でした。よかった。
