ShinMakita

星の子のShinMakitaのレビュー・感想・評価

星の子(2020年製作の映画)
1.9
未熟児で生まれた女の子ちひろ。湿疹・嘔吐・発熱で泣き続ける彼女の世話に、両親は疲弊してしまった。そこで頼ったのが、健康を維持し病を取り除くいう水「金星のめぐみ」。怪しげな団体が高額で売っている商品だったが、これを飲ませたり清拭したりすると、不思議とちひろは元気に育っていくのだった。これが、ちひろ一家が新興宗教にハマったきっかけである。

15年後、ちひろは中3になり高校受験を控えながらクラスメイトと楽しく過ごしていた。両親の信仰熱は相変わらずで、ちひろも言い付けを守って「団体」のセミナーに積極的に参加している。しかしある時、ハンサムな新任教師・南に片思いして人生の岐路に立たされることに…


「星の子」。

以下、ネタバレ・ファーロング。


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主人公ちひろは利口であり馬鹿である。この表現が乱暴なら、大人(分別がある)であり子供(純粋)である、と言おうか。15というのは誰もがそういう時期なんだけど、これを芦田愛菜が演じることで面白くなっている。前半は盲信的なカルト信者っ子&イケメン好きというキャラで登場。知的で大人っぽいという「芦田愛菜」パブリックイメージとの乖離がまず楽しいし、ルックスも違和感がない。後半、色々な「現実」を体験し、文字どおり「迷子」になりながら、自分なりの結論を出して自立するのは、しっかり者らしい芦田愛菜のイメージどおりであり説得力があった。

というわけで、この映画、芦田愛菜ありきというか、彼女がキャスティングされた時点で99パーセント成功なのだ。「団体」や信者を不気味にかつ興味本位に描かないスタンスにも好感。オーラを消しつつ脇に徹する永瀬正敏と原田知世も素晴らしい。そして岡田将生である。教師のくせに誰よりも器が小さく自己中で、思いやりの欠片もない男を好演。「イケメンにロクな奴ァいねえ」という俺の説を肯定してくれた貴方に拍手です。

…それにしても、エドワード・ファーロングとはネタが古い。知ってる?と訊かれたら「T2、ペットセメタリー2、リトルオデッサの彼だよね」と瞬時に返せるので、愛菜ちゃんに好かれるかしら?^_^
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