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<片隅>たちと生きる 監督・片渕須直の仕事のsyuheiのレビュー・感想・評価

4.5
レンタルか購入かでずっと悩んでたけど、ついに買った。2019年のドキュメンタリー映画。

『この世界の片隅に』『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』というアニメーション映画作品において、制作過程や影響の広がりの、中心ではない周辺や片隅で関わった人々に焦点をあてたドキュメント。片淵監督が動く先々にそうした人が居る。この映画そのものが1つの大きな物語のうねりを産んだ。

冒頭で片淵監督が自分で言うように、絵づくりでも物語づくりでも、世の中には自分よりずっとうまい人がいることを早くから知っていた。そうした道を究める人生ではないと。本作が記録した片淵監督の創作スタイルは、地道に積み上げ、ゆっくり、しかし着実に躙り寄る。歩みは遅いが、重く、響く。

アニメ映画はそこそこ観てきたと思うし、衝撃を受けた映画は多い。『この世界〜』ほど、観たときに受けた衝撃の振動が残り続けている作品は他にない。公開から5年経っても波紋の輪は広がり続けている。土浦では今日も映画館で上映されている。そうするように人を駆り立てる力の宿った、比類なき映画。

https://twitter.com/syuhei/status/1408399398048997380?s=20
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