ルパン3000世

ジョゼと虎と魚たちのルパン3000世のネタバレレビュー・内容・結末

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

この作品は、いかに日常が素晴らしいもので溢れているかを思いださせてくれる作品である。
そして、なにかを始めるには、そこに飛び出すちょっとした勇気が必要であることを思い出させてくれる。

序盤のジョゼの世界というのは、自分の家の中と、夜におばあちゃんと散歩していた散歩道だけであり、その世界の中だけでは自分は強気になれるものの、それ以外の例えば昼間の世界について、ジョゼは「怖く、恐ろしく、不可解なものである」と考えていたように思えた。

アニメ版のツネオとジョゼはたとえば出会ったのが昼間であれば関係性はちがっていたかもしれない、と思いました。
ジョゼは自分が慣れた散歩道だったから、ツネオに噛みついたりすることができたのかもしれない。
図書館で女性と出会うと、ジョゼは自分のテリトリーではないからうまく話せない。
ツネオのバイト先でもうまく行動、発言できない。自分のテリトリーじゃないためだ。

ただ、ジョゼとツネオはストーリーの中で色んな場所に出掛けていく。ジョゼに必要だったのは外の世界に飛び出すちょっとした勇気と、ツネオというなんでもできて、物知りな頼りがいのあるパートナーであった。

そして外の世界に飛び出したジョゼをジョゼ目線でジョゼの心の動きを考えながら着目すると、日常はものすごく驚きにあふれていて、いかに尊いものであるかを思いださせてくれる。

印象的なシーンはジョゼが夢の中で人魚になりクジラと遊ぶシーン。
ツネオを励ますため、図書館で子どもたちに読み聞かせするシーン。

アニメ版はハッピーエンドなのが良かったです。
そして、アニメは「ジョゼ」も「虎」も「魚たち」もしっかりでてくる。
実写版は虎と魚たちはでてこなかった気がしたので、実写版を観ただけであった私は長年の疑問が解け、脳が喜んだ感覚になりました。

観てよかったです。
ルパン3000世

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