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さよならテレビのあのレビュー・感想・評価

さよならテレビ(2019年製作の映画)
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世界中のみんなが君といたことを忘れても、僕が君を覚えてるよ 僕が君を知ってるよ 君といたこと覚えてるよ 楽しかったときのこと知ってるよ

(話にオチをつけるよ、楽しく話すよ、だからまた僕を見てよ ほら、まだこんなに面白く話せるでしょ 僕の話は今でもこんなに面白いでしょ みんなが血を見たいんなら人を切るよ、自分だってもちろん切るよ ほらまだこんなに血は赤い! いまだって! これからも!! 僕を見てよ!! 綺麗事はお嫌いですか 丁寧な語調は嫌ですか すぐに自己嫌悪して見せます どうですか? 立派なもんでしょう! 自傷だってできるんですよ! これも手慣れてますか? すみません、他人を切るのに慣れすぎたんだと思います そういう病気なんです どうか見過ごしてください 僕を見てください どんな口調が好きですか? なんでも喋れますよ 遠慮しないでください もとより自分なんてありませんから 今だって、あなたに見てほしくてこうなったんです 僕を見てください どんな僕が見たいですか? 僕のことはまだ見たいですか? あなただけを写し続けてきた僕に、あなたはもう飽きましたか? 僕に何をしてほしいですか? (それでも)あなたが必要なんです あなたを映し続けた僕を、あなたは好きだといってくれました 僕はもう必要ありませんか? あなたの中に僕はいませんか? 映画を僕が駆逐したように、ネットが僕を滅ぼしていきます もうダメですか 先輩の力を借りれば、今でも僕はこんなに話せます もう終わりですか また自称行為でもしましょうか 好きでしょう 今でも僕は面白いですね? 僕は今でも貴重ですね? 話し掛けるという行為しかこの世にはないのが残念です それでも少しは他人の役に立ってると思いたい 傲慢ですか 体が弱ってきた今でも、昔の夢を見るんです 僕のことをどうか見てほしい)

(それでも結局、できることはカメラを回すことだけです すべての人はこのやり方しかできません 見る方も見られる方も、撮る方も撮られる方も、あなたなんですよ いつかまた、あるいはもう最後かもしれませんが、どうか僕のことを見てほしい 僕のことを見てほしいんです)
あ