真奈

鹿の王 ユナと約束の旅の真奈のレビュー・感想・評価

鹿の王 ユナと約束の旅(2020年製作の映画)
2.9
崖を下る飛鹿が見れたのはよかった。
そしてホッサルの「ジジイ」が聞けてよかった。
竹内涼真、わたしあんまり好きじゃないんだけど声が意外と良くてびっくりしました。杏ちゃんはちょっとサエのイメージと違ったけど…サエってどっちかというとバルサタイプかと…

ただ!原作を知らずに映画だけ見た人、頼むから原作読んでほしい。原作の良さを50倍くらいに薄めてその1滴だけを加えたような映画だからこれ。これだけを見て上橋菜穂子の「鹿の王」を理解したつもりにならないでほしい。お願いだから。映画は映画として捉えていて。
個人、民族、国のいろんな思惑や信念が糸のように絡まりあった中で、その糸に絡め取られないようにもがく人たちの生き様が見たかったんだわたしは。
ただあの超大作を114分に収めるってなったらまぁこうだよなとも思うんだけどさあ…人を救うはずの医療が政治に使われてしまうというのもさ、、コロナ禍の今は逆に描き込まなくて正解だったかもしれないけどさ、、

ミラルがいなかったのも残念だったしマコウカンがなぜか変な髪型の熱血男になってたのもなんだかな。トマも全然青年じゃないじゃん…シカンくんもただの医者で終わってるやん…ユナも"気の触れた女に充てがわれた"なんて設定要る?母親に愛されていた女の子であってほしかった。あと死んでしまった奴隷たちをあんな綺麗に火葬するか?が違和感だったなー。あと山犬たちの噛んでいくところももっと軍隊的に最小限の動きであってほしかった。
玉眼来訪が全然違うものとして描かれてるのも気に入らん。あれじゃ侵攻じゃないか。中身をあんなふうに変えてしまうなら玉眼来訪なんてワード使わなきゃいいのに。

裏返りの状態とかをアニメで描くのって難しいだろうなとは思ってたけど、ケノイのくだりも含めあんな描写したらそりゃもののけ姫の劣化版って言われるよ!!上橋菜穂子のファンタジーってそういうファンタジーじゃないのになぁと思いながら見てました。うーん。
やっぱこういうの原作ありきで見ちゃだめですね。

てかこれ映画だけ見てタイトルの意味理解するのめちゃ難しくない??



追記。
ユナって何歳の設定なんだろう?原作では3歳くらいと描写があった気がするし、「おんちゃん」と言えないから「おちゃん」、「ユナちゃん」ではなく「ユナちゃ」なんだよね。前歯が抜けてるの、乳歯の生え変わりなんだとしたら6歳前後だよね?どういうつもりで前歯をなくしたんだろう。折れたの?笑

あと「ミツツァル」ってみんな発音してるように聞こえて気になった…「ミッツァル」じゃないの?
真奈

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