BlueMoon

ミス・アメリカーナのBlueMoonのレビュー・感想・評価

ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)
4.0
20代にとって、アメリカのセレブといえばテイラー、のイメージがある気がする。少なくとも自分はそうだ。アルバムは大ヒット、ロマンスでゴシップ紙を賑わせ、フェミニストでミレニアルらしい発言をするブロンドの女の子。とても現代的な存在で、彼女自身がもはやその記号としてみられ始めていた節もあったと思う。
僕はテイラーは嫌いじゃなかったけれど、それも断片的に聞こえてくる彼女の発言とかに対する印象なだけであって、この映画を見るまでは彼女の人となりを把握していたわけではなかった。
このドキュメンタリーの中で、夢を掴み、苦悩し、それでも音楽を作っていく彼女を見ていると、そのプロ意識というかもはや人としての意識の高さと強さに感服する。こんな素晴らしい人に心ないコメントを投げつけて簡単に傷つけてしまう人間がいることが信じられない。SNS時代の幕開けとともにスターダムを駆け上がった存在ゆえに様々な困難にさらされたテイラーだが、ある意味「有名人は叩かれる・周りからの評判で苦労する」という現代的な問題の典型例としてテイラーの名前もよく挙がる気がする。それに苦しみ、彼女なりになんとか折り合いをつけていくのだけど、やはり痛々しかった。カニエ・ウェストはマジでスニーカー作ってる場合じゃねえよ、恥を知れ。
現代ゆえの問題を乗り越え、オンリーワンのカントリー・ポップスシンガーソングライターであり続ける彼女こそ、現代のアメリカを象徴する「ミス・アメリカーナ」の名にふさわしいだろう。
BlueMoon

BlueMoon