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プロミシング・ヤング・ウーマンのATのレビュー・感想・評価

4.5
ポップなミュージックや映像に乗せて描かれる復讐劇は、それに反して淡々と進んで行くそのギャップにグイグイと引き込まれる。

主人公の着ているお洋服が可愛い。勤め先のカフェも可愛い。なのに滲み出るサイコ感が堪らないキャリーマリガンの演技力!

「被害者にも何かしら悪い部分があった」。これは私たち女でも、小さい頃から無意識に叩き込まれてる刷り込みだったりする。
だから復讐相手に女性がいたのもまた納得だった。
性別関係無く、人は簡単に加害者に成りうる。

この映画のグッとくるところは、これだけポップに描いているにも関わらず「スカッと」だけでは終わらないところ。
彼女の起承転結だけ追えば凄く悲劇的な話なのに、敢えてそう描かず、これだけ心に深くピンするのがすごい。

まぁ、残念なのは見て欲しい層はわざわざこの作品を選ばないし、見たところで何も感じないだろうなという点。

でも、この作品が評価を受けたという点に、少なからず希望を見出して良いのかもしれない。
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