Sunny

プロミシング・ヤング・ウーマンのSunnyのレビュー・感想・評価

4.9
コーヒーショップで働くキャシーは、かつて前途が有望な医学部生だったがある事件をきっかけに中退、30歳を目前にした今も苦しみを抱え続けていて、そんな彼女の日々に突如心動かされる再会が訪れるが…果たして彼女の苦しみのいく末は、というようなストーリー。

人の本質はそう簡単には変わらない、というが本当にその言葉を如実に表したような登場人物たちの描写には、迫るものがあった。罪を罪とも思わないことは最も罪深く、そしてそのような人々は思うよりも多いのかもしれない。わかりやすい例で言えば、人の悪口を言っている人を前にして、同調したり、止めたりしないことはよく見かけるシーンだ。
そんな、日常に溢れる罪に警鐘を鳴らすように描かれた本作は、あまりにも悲しすぎて苦しすぎた。

佳境のシーンでBritneyのToxicのアレンジがBGMで使われていたり、作品のキーパーソンの婚約者の名前が、存在したかしないか不明とされているロマノフ王朝最後の皇女の名前と同じアナスタシアだったり、隠しトリッキーな面がいくつかあったのが、素晴らしい作り込み。
Sunny

Sunny