このレビューはネタバレを含みます
腹の底から湧き上がるような言葉では言い表せない、抱えきれない感情を轟音として不穏な音で描かれていく。
男女2人のその感情を交互に描いていく。
男は家族の問題によって、自分では抱えきれないほどの感情に直面し、どうしようもない現実からただひたすら逃げていく。
やりようのない気持ちを暴力へと消火もできず、人に当たるも、返り討ちに合う。そこで助けてくれた一言も話さない謎の男と共に生活していく。
男の様子を伺っていくと人から依頼された暴力で生活しているようだった。また、過去に家族を失っているようで、自分と近い存在のようで、暴力によって自分自身を傷つけているからやめてほしいとお願いするが、それでもやめない謎の男。
自分がいくら止めても力になれないと悟り、自分自身も逃げている現実へと実家に帰るが、そこにはまたもや受け入れたくない現実が....。
男側の物語はセリフが少ない分、映像で語られていて結構好きだった。特にお墓参りのシーンは何とも言えない複雑な感情が伝わってきて印象に残るシーンだった。
また、髪の毛を切るシーンと最後の走れと謎の男から言われるシーンも、心の繋がりが伝わる好きなシーンだった。
全体的に人間を上手く描いてはいるが、それが容量よくサラッと描かれている感じがしたのでのめり込むほどではなかった。
特に女側の物語はあまり乗り切れず、だった。我慢することで仕事を得ているのかな？と思ったけど、結構全部が中途半端だったような感じがした。ただ最後はスッキリしたので良かった。
監督、キャストの方の舞台挨拶付きで、出演されているメインの方がほとんど出て来られてテンション上がりました。天気の話など面白く貴重な体験ができました。
