轟音の作品情報・感想・評価

「轟音」に投稿された感想・評価

D

Dの感想・評価

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2021年5本目
生きなきゃな、生きられる。紛れもなく希望を感じられる作品です。
緑

緑の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

福井県の閉塞感を味わう作品。

兄の殺人の裁判から母とともに帰宅したら
父親が首を吊っていて
その場から逃げ出した主人公。
行きずりに厳ついオッサンに絡んで
殴られているところに通りがかった謎の男。
オッサンをフルボッコにして
立ち去る男を追う主人公。
追って男の部屋に居つく主人公。
言葉は交わさないまま謎の信頼感発生。

兄は拘置所で自殺。
母も自殺。
それらを知らないまま男の住処に居続ける主人公。
男は依頼を受けては人を殴る仕事をしている模様。
相手を問わず依頼のままに殴る。
福井怖い。
悪くない人を殴っている最中に主人公に止められ、
主人公が悪くない男を殴る殴る。
警官に見られて主人公を逃した男、
最期は以前殴った人に車で撥ねられる。
走る主人公の姿で終劇。

主人公の物語と並行して、
ラジオパーソナリティの女性、
そのセフレである既婚者の番組DだかPだか、
ラジオパーソナリティの女性の友だち、
実家を継ぐために福井に戻った男性の話が絡む。
悪くないのに殴られるのはこの男性。
セフレに嫉妬深い既婚者って超絶面倒くさい。
あと、遠隔操作系性具であんなに女性が
悶えるってのは男性の幻想だと思う。AVか。

こんな絶望と閉塞感しかない作品を
舞台挨拶で「希望」と言い張る監督。
天晴!
東尋坊タワーのシーンは全然人がいないのに
ゲリラ撮影だったという話に笑った。

曇天/人の少なさもさながら、
主人公の家を外から撮ったときの画角が
空の分量が少なくて最も閉塞感あった。(褒めてる)
謎の男が謎のままなので
物語がとっ散らからなくてよかった。
台詞は少ないが迷うことはなく観やすい。

カメラはもう少し安定させてほしかった。
録音か整音がイマイチで台詞の音声が
割れるギリギリに感じた箇所が結構あった。
轟音が鳴るときの法則性はわからないまま。
こんなにも揺さぶられて、感情も身も心も全て持ってかれる作品は久しぶりやなぁ
観終えたあと、金縛りにあったかのように動けなかったもんな
山田k

山田kの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

これの1時間前に見た「生きちゃった」と偶然にも同じ加害者家族が描かれていたが今作は加害者家族がテーマという部分に惹かれて観た。
主人公のヌボーっとした卑屈な顔が苦手。
舞台挨拶に来ていた本人はそんなことなかったので表情と雰囲気でつくられたものだと分かった。
主人公の話に不倫女の話とお父さん介護の話が間に入ってきて何をメインに描きたいのかよく分からなかったが途中から不倫の話の方がおもろくなってきた。
全編通して映像は綺麗だったが雨の海の赤い車🚘シーンはここ数年見た映画の中の画の中で一番好きかもてくらい綺麗で素晴らしい。
2点誰かに教えて欲しい
①お兄さんは挫折によって何の関係もない家の子供を殺したのか?
②不倫女がいきなりボールペンで殺人未遂するに至る過程が描ききれていないと感じたが何故刺した?彼氏が襲われたのも知らないはず。
あとは菓子パンを毎日同じ感じで食べるシーンが印象的。
最終的な感想としてはなかなか面白かった。
お

おの感想・評価

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監督の持つ福井対する閉鎖的な悪い印象は私もちょっと共感
ただただ暗い
人間の心の奥底に眠るマグマを見るような、形容しがたい感情のうごめきを感じる。
インディーズ作品で、脚本に粗さが残るものの、極力セリフを排した長回しによって、観客に脳内で補完する時間を十二分に与えたから、なし得たのではないかと思う。

この作品のように言語化しようにもできない何かを映し出すことは映画の醍醐味の一つ。
各々の登場人物のエピソード(脇役のバックボーン)まで頑張って描いてしまい、感情の置き所が分散したのはもったいなかった。
Michacha

Michachaの感想・評価

3.4

このレビューはネタバレを含みます

えーーー…そんな終わり方なの??!

彼に何があったのか全く語らない、教えてくれないのに、彼の生き方がそれを物語るってワザ。
髪を切るシーンには何故か泣けてしまったし。

そしてあの不倫男の嫉妬心やら中年男のいやらしさやらがベタついて…まあ、ああされて当然よねと思ったけど、彼女はどうなっちゃうのかな?

と、いろいろこの先どうなるの?と思うままで良かったのか、結局…。
主人公に自分を重ねました。やり場のない感情を人にぶつけてしまうことは間違っていると思いますがそうしてしまう気持ちも分かります。

このレビューはネタバレを含みます

・片山亨とは何者か
・ラストについて

・片山亨とは何者か。安楽涼と片山亮。
 観たのは結構前です。2月27日シネマロサにて。ラストシーンに考えさせられるところがあって長らく書けなかった。

 観た動機から。去年彗星のように『1人のダンス』という映画で現れた安楽涼という若い監督がいた。奇跡の映像を映すことに成功している映画で本当におすすめです。話を戻して『1人のダンス』に脚本家として役者としても参加している片山亮さんはいったい何者かと気になっていた。『追い風』でも合同で脚本にクレジットされているし。そんな人がシネマロサで『轟音』をかけるというので気になって観に行った。

 観てるときに大宮将司さんという不倫してるラジオプロデューサー役の人は『AI崩壊』にも映っていたし勢力的に活動してるんだろうなとか思った。演技も生々しく。

 安楽涼さんと片山亮の大きな違いってなんだろう?と思いながら観てた。音楽の使い方はある気がすると思った。まだ片山亮さんの映画は一つしかみてないけど劇半が重厚感あるかなと思った。それは安楽涼さんがMV出身という対比もあるのかもしれないと思ってた。映画終わりでナオリュウさんというかたのライブがあり実は姉弟だという片山さんの作品の主題歌をほぼ歌っているだとか。なるほど身近に主題歌を歌えるようなアーティストがいるのは強みだしそれは色として出てくるなと思った次第。まだ一作しか自分は片山さんの作品みていないけどそんなことを思った。

・ラストについて
 ずっと考えていたのだけど想像を絶するひどいことが立て続けに起きて、そしたら自分は見ず知らずの人を殺してもいいぐらいの気持ちで殴るだろうか?主人公の少年は最初とても理性的に描かれる。ひどい状況でも崩れない真っ当な少年だ。でも立て続けにひどいことが起きて崩れる。そして最後には彼が暴力を振るう側になる。そのことをどう思うか。
 
 浮浪者の男・殴り屋の男は少年を逃がす。きっと同じような人間になってほしくなかったんだと思う。浮浪者の男の気持ちとしては新たな殴り屋の誕生という話ではないのだと思う。少年がどうなるかは分からないけど。

 余力があるうちは他人のことに想像力を働かせられる。優しいことが言える。ただ自分がいっぱいいっぱいになったときなってしまったときに自死を選ぶないかわりに他者を傷つけることもある(誤解があるな感情を爆発させるのもありだよ)ってラストを自分は分かる気もするけど肯定したくなかった。人がしんどくてしんどくてしかたなくてぶつける感情の先が知らない人というのは理不尽すぎると思った。

 とまぁそんなことを考えてました。こういう風に考えさせてくれる力を持った映画を作る人なんだということ改めて思う。次回作が楽しみです。
echizen

echizenの感想・評価

5.0
片山監督の映画には、解り易い登場人物は出てこない。誰もが色々な感情と考えと倫理感に従って揺れながら動く。複雑だ。だから腑に落ちない事が多い。しかし実際世の中、そうやって人は生きている。だから理解出来ないけど、妙に生々しく思える。
今回の映画は正にそんな人物ばかり。話も色々な方向に飛んでいく。謎に謎が重なる。どうやって話を回収するんだ?そんな話。
最後は、そうなるのか…というエンディング。しかし良く考えるとまだ謎は結構残っている。やがて脳内で、自分勝手に話が広がる。後々引きずるヤバい映画だ。
片山ワールド出現。
ラストは監督が語る希望は感じられなかったけど、生命の躍動感と疾走感が猛烈に弾ける。生命そのものが希望というのなら、これはやはり希望の活動写真なのか?

とにかく俳優でもある監督は、俳優達から最高の表現を引き出す。そして引き出された表現を、画として丁寧に焼き付ける。そこが長けている。独特な演出家だ。

監督は長編映画の台本でも、数時間で書き上げるそうだ。しかし書き出す前には、相当に頭の中で人物像への肉付を行っているのだろう。人を描く事にとても拘りを持っているみたいだ。これが複雑で生々しい話を創り上げている。
そこで一気に書き上げる。ざっくりしてでも書き上げる。この一気加勢なスタイルが、熱量の多い作品になる一因だろう。
とても面白いじゃないか!

次回作が早く観たい。
希望は(変な)コメディ。
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