くりごはん

轟音のくりごはんのレビュー・感想・評価

轟音(2019年製作の映画)
4.7
希望とは、明るくてきれいなものとは限らない。この映画に、暗くて汚くて、痛々しい希望の存在を見た。

確かに重たい内容ではあるが、あらすじや予告編から想像するほど鬱屈とした映画ではない。
狂犬のような浮浪者と、凄惨な形で家族を失った青年の交流は、ピュアでハードボイルドで魅力的にさえ思える。

キラキラした希望を持たなくても、後ろめたく感じることはない。普通の日常の貴重さ、もしくは絶望のように見える状況の中でわきあがる衝動、そういう希望の形もあると見せてくれた映画でした。

自分の人生にどこか「行き止まり」を感じている大人に見てほしいと思います。
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