怪物のくりごはんのネタバレレビュー・内容・結末

母、教師、子どもたち、視点を変えながら描かれる出来事。

人によって同じシーンの見え方が全然違うとか、同じ人の性格が全然違うとか、思い込みや先入観のミスリードから始まって真相が明らかになっていく系…
とは少し違った。

なんていうか、ぜんぜん的外れなんだよな、って感じ。
母親の必死な心配も、教師の葛藤やあがきも、事件のようなものも、子どもたち視点ではほぼピックアップもされなかった。彼らには何も関係なかった。

どこにでもいるまっとうな心やさしい人でも、いかに自分の世界しか見えてないことか。いかに自分の常識しか持っていないことか。
それが是枝監督の美しい映像と、坂本龍一の美しい音楽と、坂元裕二のとびきりの会話で紡がれ、問いかけられる。