すこぶる評判の悪いドラ泣き映画。
やれ電通によるプロデュースだ、やれ山崎による感動ポルノだ、嫌われる要因は良くわかる。
一応世間の評判は知った上で、見てから左右されず自分の見解を述べたいと思います。
少年ののび太が過去に行きお婆ちゃんに会う。将来のお嫁さんを見せる為に大人ののび太に会いに行くと、結婚式に現れない。
大人のび太の代わりに子供のび太が代役をやり、居なくなった大人のび太を探しに行く。
子供の時代に来ていたマリッジブルーの大人のび太。なんだそれ?
道具で大人子供が入れ替わり。元に戻れなくなりそうなトラブルを乗り越えてマリッジブルーを克服。
何故かのび太出産時にタイムスリップし名前の由来を確認。
無事に結婚式。婆ちゃんも見れて感激。
中盤までは割と楽しめた。タイムマシンを使ったトリッキーな展開はとても楽しい。
魔界大冒険のようなギミックは脚本の努力を感じる。
だが、大人のび太がバカ過ぎないか?
少なくても大人のび太はオッチョコチョイは治らなくても、ドラえもんの世話にはなっちゃダメなんですよ。
ドラえもんに助けて貰えるのは子供のび太の特権なの。それはドラえもん最大のアイデンティティな筈なんだよね。
でも今作の脚本はそこを見誤ってしまった。
大人のび太がマリッジブルーになるって意味わかんないもん。
また気持ちを入れ直して、結婚式に戻るかと思ったら、のび太命名の謎ときに寄り道。
いやいや、直ぐ結婚式に戻れや!
唐突に寄り道するのも、結婚式スピーチで泣き所を作るために無理やり入れ込んでるのがわかる。
そして肝心のドラ泣きだ。やっぱりあからさまな泣かせようって意図がわかり気持ち悪い。下品だなぁ。
未来の光景にはSoftBankやらUNIQLOやらLIONやらスポンサーのネオンが煌めいている。タイバニなどが開拓した広告システムだが、今作からは金の匂いがプンプンするわ。電通によるタレントに結婚祝いを言わせるなどセンスないプロモーションも相まって、全てイメージの悪化に繋がった。
あと、お婆ちゃんに会いに行った時代は何なんだろう?昭和40年代じゃん!
子供のび太の7年前だよ?
で、大人のび太の世界は自動運転が普及してたりする近未来だ。
どんな時代設定だよ????
嫌われる要因とは別に、突っ込むべき荒さも目立ったと思う。