人気俳優の自宅を舞台に、執事・仕事仲間・ファン・愛人が怒涛の勢いで訪れ、去っていく。
前半に積み重ねた関係性が後半で一気に捻れ、転倒し、爆発する、ノエル・カワード作のワンシチュエーションコメディ。
ビジネス上の付き合いと恋愛的関係、パブリックとプライベートの境界が瓦解し、
割り切れない本性が炙り出される。
「今1番来てほしくない人」が空気を読まず次々と現れるので、人物の登退場だけでドラマが生まれ、爆笑と悲鳴が巻き起こる見事な戯曲構造。
パーティが終わった後のギャリーと家政婦のやり取りがやたら感傷的で良い。
1940年代の戯曲だが一部キャストの性別を入れ替える事で、関係性に深みを持たせ、同時代的な視点を加える事に成功している。