うみ

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」のうみのレビュー・感想・評価

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2020.02.19
めっっっちゃくちゃ面白かった!
4時間近く、ストーリーテリングがベース。一見、一瞬で眠くなりそうな内容だけど、
流れの作り方や情報の出しどころなど、圧倒的に巧みな構成、ユーモラスな言葉遣いもふんだんに盛り込み、役者の演技と全編を伴走する生ピアノ(本作のために作曲)が生み出す軽快なテンポと絶妙な緩急を生み出していて、
ザ・名人技、という感じ。全体的に正統派、古風、硬派で、とってもスマートにテクニカル。見応えがすごい。
完全にサム・メンデスのファンになりました。
というか、役者もすごくって…。3人だけで色々な役を担うのだけど、切り替えがすごい。これぞ舞台ならではの見応え。

外国語ゆえの字幕、映像放映ゆえのカメラワークだけど、
字幕と顔や仕草のアップにより、母国語で生で舞台を(遠い席から)観るよりも観やすい体験になっているように思えて、
普段の舞台観劇とはまたちょっと違う体験だったし(そもそも椅子の座り心地が違う・・・)、
客層も、国内の舞台鑑賞者ともまたちょっと違う質の観客が生まれているのかもとも思ったり。

NTLはほとんど宣伝を打っていない(はず)のなので、私も公式Twitterか友人・Twitterの口コミからしか情報収集できてないけど、
1週間の上映のうちの後半は売り切れ満席で、226席のスクリーン5で上映していた前半から、上映終了前日の水曜日にはスクリーン145席のスクリーン9になったものの、最終日はまた226席のスクリーン5に戻ってた。(最後の2日間は前日には全席完売)
実際今回のNTLはTwitterでの口コミをよく見かけたので、口コミ効果かしら?

NTL鑑賞層はNTLを複数回観る層としてコミュニティ化している気がしているし、積極的に情報収集する情報感度の高い、文化接触の高い層に思うので、口コミの影響度合いも高そう。

ちなみに回転舞台の美術はエス・デブリンという女性で、世界の著名アーティストの舞台も手掛けている方みたい
https://thefifthsense.i-d.co/jp/hiro/es-devlin/

あと語る会での発言要旨がまとめられていたツイートがあったけど大変興味深かったhttps://twitter.com/kywatana/status/1231597568066383872?s=19
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