ばななはやつお

ナショナル・シアター・ライヴ 2020 「リーマン・トリロジー」のばななはやつおのレビュー・感想・評価

4.8
好きな方がおもしろいと言われてたし、期間限定だしで、衝動的に観に行ったのだけど、ストーリーも舞台機構の使い方もめちゃめちゃ良かった。
なによりも出演者が3人なのにストーリーで現れる人物全員を演じてる演技力にビビり散らかした。
衣装も舞台の箱も4時間弱終始同じなのに、女性を演じてるときも子供を演じているときも不思議とその人物に見えるし、どこにも違和感がない。
脚本の人が作ってて頭こんがらがってしまわないのが不思議なくらい、シームレスに3人がリーマン一家の栄枯盛衰150年を演じるのだけど、見てるこちらが置いて行かれてしまうことが全くない。すごい、すごい〜!
舞台機構がたった一つの大きな箱で、回転しながら場面転換があり、出演者がセリフを言いながら書類箱を組み立てたり、崩したりで進んでくので次にどういう風に使うのかも楽しんで見てた。
選択肢を間違えない、ってシーンのツインタワーみたいな書類箱の使い方が好きだった。

大きな箱を囲む透明な壁に黒いペンでひたすらにリーマンブラザーズの発展を繰り返し描いたりと舞台にあるものが少ない分一つ一つのインパクトが大きかった。
あと、全編通して第三者目線で「彼は微笑んだ」みたいな語り口調なのも朗読劇みたいな面白さがあった。あとこれのおかげで置いてかれなかったのかも。

BGMはピアノ1台なので、シンプルだけどひとつひとつが場面に寄り添っていてぴったりだと思った。全然オーケストラな感じでもないし。壮大さも繊細さも1台で!

アメリカ近代史かじったくらいなので、もっと詳しければわかったかも、というところも少々。。。友達が卒論でそこら辺やってたのでなんか知ってる!?という進研ゼミになったりもした。知ってる会社名とかお家柄とか歴史の出来事出てくるだけでちょっと嬉しくなっちゃうよね。ロスチャイルド家とか。ユダヤ系すごいな〜。

そもそもリーマン・ブラザーズって日本で言うみずほ銀行が経営破綻した、みたいな感じなのかな。規模感が4番目ってどこかでみたので。
観てよかった〜〜。楽しかった!セリフ量えぐそう〜。
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