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映画 えんとつ町のプペルのふくろうのレビュー・感想・評価

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)
2.1
ラピュタは本当にあったんだ。父さんは嘘つきじゃなかったんだ!

まさか、ディズニーの超え方がジブリの劣化コピーを作ることだとは思わなかったけど、方向性としては唯一解なのかもしれないな。
セカイ系は出来が悪いと熱狂的な信者にもすぐバレるくらい寒い仕上がりになっちゃうからファンタジー色強めたのは仕方ない。厨二の妄想を万人が共感できるまで抑えて演出できる新海誠や細田守が異常なだけなのでそこは冷静に挑戦を避けたのはえらい。
ジブリ舐めすぎだけどな。

全然関係ないんだけど、高橋しんの『きみのカケラ』大好きな漫画なんだけど絶対泣けるし、全9巻一気に読めちゃうので是非読んでほしい。内に閉じられた世界と、その中で唯一外に目を向けた少女イコロ。外に目を向けないように閉ざされた世界での教育水準や考え方について深く考えさせてくれるので。

話をプペルに戻すと前半はちょっと眠い。いい感じの曲とともに時間スキップする最近はやりのあれが多用されだしてからはそんなに飽きなくなったんだけど、話は薄味。絵本原作と思えばこんなもんなのかなーでも、その絵本も最初から映画化狙って作ったんならそんな理屈は合わないのか?
大人も泣ける子ども映画といえばドラえもんやクレしんだけど、そこを基準に持ってくるならあくまでメインは子どもだとしてももう少し深みが欲しい。

大人の動きがご都合主義的というか、単純過ぎるのはプペル内では描かれていなかったけど、きみのカケラ的に考えれば、街の外に興味を持たないように幼稚園レベルに教育水準を押さえてるんだろう。

ここだけしっかりと説明してくれる、劣化する貨幣。世界観の根幹を成すとともに、ファンタジー世界を現実とリンクさせ、リアル側に世界の深みを出させる仕掛けで、西野亮廣はシルビオ・ゲゼルのことが好きなんだなってのがよくわかるんだけど。アベノミクスのインフレターゲットと結局同じことなのでそんなことのためにこの世界の人は苦しんでるのかと、逆に世界観を薄っぺらいものにさせていてとても悲しい。
あと、やっぱりコイン一枚ごとに価値が違うとか貨幣の要をなしていないと思うので、自由貨幣は電子マネーと資産税で実現するか、インフレターゲットでやってほしいと思う。映画とあんまり関係ない感想ばかり浮かんでくるのでこの辺で