MSTshozi

劇場版ポケットモンスター ココのMSTshoziのレビュー・感想・評価

4.4
人とポケモンという構造は勿論、ポケモンの中にも格差の構造。差別的な要素すらそこにある。
ザルードの訴えかけを退けるポケモンたちが印象的だ。首がすげ変わっても、その下のものにはそれだけのことだという。

ベタの詰め合わせのストーリーをしっかりとココとザルードを中心とした、これまたベタな異種親子関係を基軸にテンポ良く進行していて、さまざまな要素を詰め込んでいく。
この詰め込みを可能にしているのが、サトシでありロケット団である点が素晴らしい。
彼らは結びつかない文明と自然といった二つの世界の接続を違和感なく強引に済ませ、わかりやすい悪役を配置する。
ベースにあるキャラクタを前提としているから違和感もなく、気持ちよく見ていられる。

総合的なバランス感覚。映像的な快感もしっかりとある。これが、新ポケモンの能力を存分に発揮させているのがまた良い。

終いにはモンメンの活躍に見る多様性の主張。
「ポケモン」にあったものが全て、結実している。
セレビィの取り扱いも実にいいバランス。
これは素晴らしい。
個人的には歴代最高の出来。
コロナで客足が伸びなかったとするならば残念至極。
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