映画初心者

劇場版ポケットモンスター ココの映画初心者のレビュー・感想・評価

3.7
ここ数年のポケモン映画でベストでは無いでしょうか。八嶋監督お得意のCG背景アクションが今回の作品とかなりマッチしており、監督自身の子に対する思いやおそらく実体験ベースな描写などがあり良かった。良作。

父と子の物語。ポケモン映画で言うならば、母と子の物語であった「結晶塔の帝王」の対比とも言えます。八嶋監督はほぼポケモンに興味が無い人と言いますか、人間ドラマメインで描く傾向があります。今回は父親のポケモンと人間の子を描き出すことで自然とポケモンの描写が増えただの添え物になっていないところが良かったです。また、ココが知らないものをなめだすなどは実際に子供がいる監督ならではの実体験ベースの描写だったのではないでしょうか。また、サトシの父親の存在に触れられ、ここにきてその設定が活きてくるのかと感心しました。

ココがツタからツタを渡すアクロバティックなシーケンス等は八嶋監督はポケモンXYから多用してきたCG背景アクションとかなりマッチしており見応えがありました。そして、開始20分だけでこれでもかと作画的見どころだらけの映像、非常に豊かでした。

個人的には、サトシの父親のエピソードをガッツリ明確に描写して欲しかったですね。血のつながりのある親子とない親子、実際に会える父親と会えない父親。サトシとココとの対比が綺麗にいけたはず。もったいないです。

ここが残念というところは、音楽の使い方と敵キャラの描き方でしょうか。予告3の音楽の使い方がずば抜けて良い反面、本編ではあまり音楽と映像がマッチしていないことが伺えます。そして敵キャラは映画セレビィを彷彿とするような「よくいるような敵」になってしまっているのが残念。父と子のエピソードが思いがあることで生々しくなっている反面、敵キャラの描写が薄く興味のなさを感じました。ちなみに、ポケモン映画で好きな敵キャラは映画「ジラーチ」のですかね。

【総評】
ここ数年のポケモン映画でベストです。映像的に豊か、監督お得意のCG背景アクションが活きています。監督自身が子持ちだということで実体験ベースのような描写や、父としてどうすればよいのかという葛藤をポケモンを通して描いていて良かったと思います。

【追記】
コロコロのインタビューから引用 
矢嶋:はい。僕の体験談を結構盛り込んでいきました。ココに関しても自身の子供時代を思い描いて作っていったので、そこまで大変だったイメージはあんまり無いですね。

https://corocoro.jp/special/151632/
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