ふみ

るろうに剣心 最終章 The Beginningのふみのレビュー・感想・評価

4.2
るろうに剣心シリーズ10年の集大成でありながら、終わりの話ではなく、始まりの話。

舞台挨拶中継付きで観てきました。

素晴らしい映画でした。

抜刀斎がバリバリの人斬りだった幕末の話で、前4作とは毛色が違います。

とにかく悲壮感、殺気が凄い。

長州藩の桂小五郎を筆頭にした江戸幕府倒幕派の急先鋒として、暗殺を繰り返す抜刀斎。

目指す世界のため抜刀斎には1番キツい仕事をやってもらっている。

桂小五郎がそう語ったように、抜刀斎は人斬りを繰り返し、ひどくメンタルを病んでいます。

そりゃそうでしょ。
なんの恨みも無い人間を思想の違いだけで、バッサバッサ斬り殺しているんですもの。
崇高な目標を掲げていても、これは正しいことなのかと思うのは当然だと思います。

痛々しい姿に観ていても心がえぐられます。

そんな時に現れた雪代巴。
人斬りの機械のように扱われている抜刀斎を慮り、そっと支えます。

作品中、唯一抜刀斎が人間らしい心を取り戻し、生活するシーンもあるのですが、その後の展開を考えたら。。

新撰組が倒幕派にとって恐怖の存在として一気に名を上げた拷問からの池田屋事件や、沖田総司の3段突き、結核も再現されてて、そうそう!
と思いながら観ました。

抜刀斎を観ると土佐藩の岡田以蔵を思い出します。
武市半平太にいいように使われ、人斬り繰り返すものの最後は疎ましくなり、捨てられ、処刑される。

るろうに剣心は劇作ながら、150数年前これに近いことが本当に行われてたんですよね。

るろうに剣心10年の集大成に相応しく、また始まりの物語としても素晴らしい映画でした。
この作品の並びは秀逸です。

これはまた映画館で観たい!
そう思える作品でした。
ふみ

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