みむさん

17歳の瞳に映る世界のみむさんのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
3.5
望まぬ妊娠をした10代の女の子の決断とその実行への過程。

主人公オータムが住む町では未成年の中絶は親権者の同意が必要なため、別の州に行くことを決意。

10代の女の子に向けられる視線や、大人の言動、システムの狭間、あらゆるところに問題が潜み、危険が転がっていることを思い知らされる。

口数も少なく、積極的に交遊関係を築くほうでもなく、家族環境も良好ではない、孤独なオータムの理解者はいとこのスカイラー。彼女との関係がとても良い。
感性や価値観が近いだけでなく、言葉に出さずともお互いを分かりあっている感じ。

中絶の善し悪しの議論はまた別のところで起こるだろうが、この映画はあくまでオータムの決意と、それを遂行する力を描いている。

10代の女の子だけで乗り越えるハードルはいくつもあるし、頼るべき大人はいない。

ドラマチックに煽ることなく、どこにでもいる女の子が彼女なりに考えて出来ることをする姿が淡々と描かれていた。