なべ

17歳の瞳に映る世界のなべのネタバレレビュー・内容・結末

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

一切飽きることなく観ました。
オータムの状況を見て、身につまされる映画だと思います。私がこれまで、日常生活で感じてきた危険、例えば男性と夜道ですれ違う時、目があった時、軽くボディータッチをされた時などさまざまありますが、スカイラー(オータムのいとこ)が被害者になった瞬間、上記の危険を感じてきた時がフラッシュバックし、自分と重ねて見てしまいました。

性的に消費される過程を、彼女たちの一挙手一投足で丁寧に描いた作品です。お金が無いからそれを許しざるを得ない(表面上は)ですし、何をされるか分からないから必死に気持ちを堪えて抵抗しない。特に、中絶の過程で疲労困憊になるオータムを守るスカイラーにその強さでもあり弱さを感じました。
オータムの心情はわかりませんが、きっと母親になる自信が無かったのではなく、自分と自分を傷つけた相手の結晶が、はっきり見えることから逃げたかったのかなと思いました。子供を見るたびに抉られるような気持ちになるなんて、そんな地獄を迎えたくはないでしょうから。
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