90分でサクッと良い映画。雨上がりの空に架かる虹を見たような瑞々しい気持ちに。
何をしたかよりも、何のために、誰のためにしたのか。掟破りの賭け試合。
主人公が良いキャラクターしてます。決して人を傷つけるような行為をしない、他者を想う気持ちを持った優しい浪人。この主人公に説得力を持たせ、命を吹き込んだ寺尾聰の演技。
寺尾聰、上手でしたねー。殺陣といい、剣術の鍛練のシーンといい。どれも長回しなんですが、見事な所作の美しさに引き込まれました。乗馬シーンのリアリティも印象深かったです。
時代劇を見ていると、殺陣とか乗馬などのシーンで練習の跡が丸見えで逆にシラケてしまうことがよくあるんですが、この映画ではそのような時代劇のお約束事的場面をリアリティたっぷりに演出できている。映画は見せ方、語り方次第だということ。
