プライア

雨あがるのプライアのネタバレレビュー・内容・結末

雨あがる(1999年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

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腕は立つが優しすぎて出世しない浪人の物語。
人柄が非常に良く、自分より弱い者達に対して同情的な主人公。
しかし敗れた者にとっての最大の屈辱は同情なのである。
そういう側面もあり、武士としては出世できなかった。

流れ着いたある町の殿様は人間が良く、共に意気投合する。
剣術の師範にと誘われ、試験的に家臣らと木刀で手合わせをする。
当然のことながら連勝、挑戦する者はいなくなってしまった。
情けなくなった殿は自ら手合わせを申し出た。

当然殿にもボロ勝ち。いつものように、怪我はないかと気遣う主人公。
負けるのは構わないが、皆の衆の前で勝者に同情され、殿は激昂した。
と同時に主人公が武士に向いていない事も悟り、採用を見送ることに。

後日、爺らが来て、採用見送りとなった旨を告げる。
理由は上記だが、名目上は少し前に賭け試合した事が理由とされた。
賭け試合をするのは武士にあるまじき行為ではあったが、
人を助けるために金が必要だったために試合をしたのだった。
しかし経緯を問わず、採用見送りは覆らないと言い渡された。

賭け試合にいつも反対して夫を責めてきた妻が、ここで言った。
人間にとって、行動した内容をよりもその背景の方が大事と。
お前らのようなでくの坊には一生わかるまいと。

主人公夫婦は職を求め、そのまま次の町へと流れて行く。
事の次第を爺らから伝え聞いた殿様は思い直し、彼らを追う。
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時代劇はあんまり好きではないが、テンポがよく見やすかった。
あまりにも人の良すぎる凄腕侍という設定がおもしろい。
おれがよく批判する徘徊型の映画に属するが、
主人公のポリシーがはっきりしているので、グダグダにはならない。

夫が余りにもストイック過ぎていつまでも生活が貧しいが、
そういう夫を尊敬し、誇りに思う嫁はんは立派だった。
それにしても、殿の側近に対して「でくの坊」って言うか?
ダンナ共々、その場で斬り捨てられてもおかしないで(場)

それからこの嫁の言葉を伝え聞いて思い直すってのもどうやろ。
今イチ動機としては弱い気もするが。まあ細かい事はいいか。
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