たく

どこへ出しても恥かしい人のたくのレビュー・感想・評価

どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)
3.8
ノーマークだったけど、友川カズキがちあきなおみの「夜へ急ぐ人」の作詞作曲をした人と知って俄然興味が湧いた。
本作は彼の競輪狂いっぷりや息子と過ごす姿、ライブシーンなど彼の日常の一コマをとらえたドキュメンタリーで、特別なことが起きるわけじゃないのに彼の人間としての強烈さが滲み出ててすごかった。

話し方にユーモアがあって周囲がいつも笑いであふれる中、「生まれた時から露頭に迷ってる」「下には下がいる」「何かに狂ってなきゃ人間とは言えない」「人生なんて何でもない」とかドキっとする言葉がポンポン出てくるところに、人として完全に吹っ切れてる感じがした。

息子達と連れ立っての競輪勝負で一度も勝てないギャグを経てからの、後半のライブシーンが凄まじい。この魂を絞り出すような歌い方に、ちあきなおみが惚れ込むのも分かる。
ライブの前に打ち上げやっちゃうのは笑った。
最近観た細野さんの「NO SMOKING」と似た感じがして、やっぱり人そのものが魅力的だとこんなとりとめのない作り方でも面白くなっちゃうんだね。
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