hayanomidori

2012のhayanomidoriのレビュー・感想・評価

2012(2009年製作の映画)
5.0
鑑賞n回目
5回ぐらいは通しで観た気がするけど、何回観ても「こんな台詞あったっけ」「このシーンあったっけ」がある。違う編集でもなさそう。

いつも他のことをしながら散漫な見方をして、やっと用事が終わってさてゆっくり観るかと腰を据えると数分で寝落ち(映画がつまらないとかではない)。何処まで観たか忘れて適当に途中から観てまた散漫→用事が終わって寝落ち。
災害やバトルでずーっと盛り上がってドカスカドンパチしてる映画だと音が喧しくて殆ど聞こえないぐらいに音量を下げるせいかも知れない。

いや、この映画は面白いし、好きな部類で、ふと思い出しては何度も観るぐらいには好きなのだ。
だから文句無く星5だ。無数にある破局的災害映画の中で、これは長過ぎず短過ぎず起承転結とスピード感が詰め込まれていて、誰がどの人かゴッチャにならず全員キャラが明確で、難しい哲学を仄めかすこともなく、かと言ってアホ過ぎて飽きるということもなく、よくある緊急時にゴネる面倒な役のサイドストーリーが語られることも無い。それなりにしんみりするシーンもあるが、それを冗長に押し付けるでもない。全員が全員割り切り良く、思考が良い意味でシンプルなのだ。

主人公一家だけは道路が壊れてもビルが崩れても必ず無傷で突破する安心感が良い。
途中出て来るロシアのオッサンとイケメンヒーローのロシアの兄ちゃんが好き。黒人ジャズバンドの爺ちゃん達も好き。
前半のうちに散ってしまう、政府の陰謀を説くガンギマリの男は出来れば奇跡的に助かって宇宙の彼方で元気に配信を続けて欲しいという脳内パラレルワールドが私の中では拡がるが、そんなシーンが挟まるだけで台無しになる。
余計なシーン、仕草、台詞を全て削りに削って必要十分条件だけを紡いだ割り切りの良さは、余計な口を挟む有力者がしゃしゃり出ずに映画を完成させた監督の手腕によるところかも知れないし、奇跡的に最初からそんな敵が居ない素晴らしいチームで創り上げたのかも知れない。
とにかく星5だ。異論は認めます。
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