Maiko

ロミオとジュリエットのMaikoのレビュー・感想・評価

ロミオとジュリエット(2019年製作の映画)
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『ロミオとジュリエット』は学生時代に原作を読みKバレエカンパニーを観劇したことがあるだけ。
ちょうど松岡和子・河合隼雄『快読シェイクスピア』を読んでいたのと、映画版CATSでヴィクトリアを演じていたフランチェスカ・ヘイワードがジュリエットをやるということで、興味をそそられました。

前情報を仕入れずいったので、舞台収録ではなく全編ロケということにまず驚き。ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートを思い出した。自然の日光や風の中のダンスが素晴らしくて感動。高難度の振付に、あんな足場でよく踊れるな?!という場面もあり、ダンサー達の超絶技巧をたっぷりと味わえた。ダンサーがステップする度に舞う土埃、バレエでこんなにリアルを感じたのは初めてかも。

若くて初々しい主演2人は表情や仕草の繊細さが際立ち、燃え上がる恋にうっとり。パ・ド・ドゥの美しさは触れたら壊れてしまいそうなくらいの儚さ。
始めは無垢で可憐なジュリエットが、ロミオと結ばれてからは苦悩の表情も浮かべる女に変わるのが鳥肌もの。
端正な顔立ちのロミオは青年らしい爽やかさで応援せずにいられない。
2人とも、死にゆく時に相手の顔を見つめて静かに微笑む姿に涙。

ティボルトのカリスマ性漂う存在感はさすがプリンシパル。敢えてロミオではなくティボルトに配役した監督には拍手。決闘シーンの雨はずるい!映画ならではの演出に興奮してしまいました。
それからマキューシオのターンに次ぐターンが凄すぎて言葉を失くした。

舞台もいいけれど、新しいバレエの楽しみ方に大満足。他の作品もやって欲しい。
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