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わがままなヴァカンスのmoshimaのレビュー・感想・評価

わがままなヴァカンス(2019年製作の映画)
3.6
カンヌで暮らす凡庸な少女ネイマの前に現れた、6つ年上の従姉ソフィア。久方ぶりに再会した彼女は母の死をきっかけに暴力的なまでに美しい大人の女性へと変貌していた。ソフィアと過ごす一夏の思い出。それらが少しずつ、だけど確実にネイマの中のなにかを変えていく。

ソフィアと一緒にいるうちに出会う、"違う世界にいきる人々"との時間は、ネイマにとってきっと目もくらむほど魅惑的。そして空虚。それを分かりながらも彼女は自らの意志でしっかりと、その中に足を踏み入れていく。
ソフィアは絵に描いたような"尻軽"。だけど、その美しさの裏で彼女はもがき苦しんでいる。そしてその苦悩の痕跡すら美しさに繋がっている。だから観客は彼女を嫌いになれないし、ネイマの変化も美しくたくましいものになったんじゃないかな。

カンヌだからこそ醸し出される、「優雅さ」と「気怠さ」と「大胆さ」が画面いっぱいに溢れている作品。カンヌの海に頭から飛び込んだ後のような気持ちになった。