国家というイデオロギーとは何か。三島は「日本国」という幻想の中で関係性を議論し、論客の芥は「解放区」にはそんなものは存在せず人間として本来の性質が剥き出しになる世界であると語る。三島の背景に終戦時10代後半の世代が持ち得た天皇論も含めた国家、世界の認知の在り方を少しばかり知ることができた。
論じられる思想は一挙一端、どちらの陣営にも深く汲みするものはなかった。
しかし、
我々の対峙してる世界は何だろう、そして、今、自分は何をしてるのか。
「世界を変えたい」
形を変えたその言葉が、翼を持って、飛び回り、力となって表出する。
そんな活動を、熱意と呼ぶ。
熱意だけは今も普遍である。そう教えてくれた作品であった。