まど

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のまどのレビュー・感想・評価

4.1
三島文学にしか触れてこなかったので、三島由紀夫がユーモラスな人間だったことにまず驚いた。

三島由紀夫と芥さんの、他者或いは世界の捉え方や感じ方が全く異なっていたので、討論は平行線を辿り対立姿勢が強くなると思いきや、終始和やかな雰囲気だったのは「知性」と国を本気で良い方向へ導こうとする「行動と熱量」が同じだったから、同志だったんだろうなと思った。

芥さんの最後のインタビューで「敗北していない。呼吸をし、誰の真似でもない自分の言葉で話しているから」という旨の発言は、自決した三島に対する皮肉なんやろなと思ったし論客としての衰えを感じさせない所がとても格好良かった。

三島は最高の舞台で、最高な死に方をして己を表現した的な誰かの言葉も良かった。三島文学の象徴でもある彼のナルシシズムは日本中を巻き込み頂点を極めたのだ。

討論の場面をすべて見たかった。あの時代のそれぞれのイデオロギーを彼らの言葉で聞きたかった。ノーカット版とかないのかな。
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