Takuma

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のTakumaのレビュー・感想・評価

3.5
国会中継やガチガチの討論番組のような、
イデオロギーが色濃く反映されたドロドロの激しい政治的討論になるかと思いきや
どう生きるか、を前提においた普遍性を持つもっと大きなテーマだったような
ある部分では哲学を匂わせながら、主張と質疑を投げかけ合う知と知の争い、といったイメージ。総じて互いのリスペクトも持ち合わせていた
この論争に決着がつかない事は、三島氏も全共闘側もハナからわかってどこか楽しんでるかのような印象を受けた
対話がそこに成立するのは、少なくとも両者で同じくらいの知的レベルに到達しているから。
例えば僕なんかは、芥氏のパートの大部分は何の話をしてるのか理解不能で目が回った。でも高次元な二人のやり取りをもう少し長く観ていたかったかもしれない。ここはもう「わからない」が面白いの境地
確固たる自分の世界を持つ知識人の語る言葉はやはり強くて魅力がある。

締めにもあったように、同じ程の熱量で
「世界を変えようと動いた」という共通点が非常に重要で、そんな男たちが一堂に会した催しがあった。(それも1vs1000で)
ここにこのドキュメンタリーの本質があるような気がする

全然関係ないけど
日常会話でデマゴゴスとか街頭ブランキズムとかめっちゃ言いたい
そして50年の時を経て当時を振り返っても全くブレない芥氏が凄い
三島氏の最期に関して、
「またバカやってら」「大願成就じゃん」
は、ある程度の理解とリスペクトがあるからこその発言、て感じがしてなんだか胸が熱くなった
Takuma

Takuma