ミヤマレベッカ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のミヤマレベッカのレビュー・感想・評価

4.5
想像の何倍も抽象度・熱意・誠実さの高い討論が繰り広げられる様子にまず驚きました。もっと国や政治の具体的な論争が起きるようなドキュメンタリーだと思っていたので嬉しい驚き。三島由紀夫と全共闘、それぞれの言葉のやり取りが面白すぎて最初から最後まであっという間の108分でした。
個人的にとくに面白いと思ったのが討論冒頭で三島由紀夫が全共闘をどのように思っているかについてサルトルを引用して語るくだり。こんなに教養豊かに討論相手を説明しながら自分の立ち位置や主張を織り交ぜる語り口のうまさ……もはや恐ろしい。
その後の学生たち(とくに芥氏)とのやり取りにもひたすら誠実に受け答えする三島由紀夫の姿には優しさと誠実さと、そして腹を括った人にしか出せないような不思議な穏やかさみたいなものを感じ、魅力的過ぎて怖いほど。この時代についてはさほど詳しくなかったので、もう少し勉強してから見返すとまた違った思考と討論の面白さみたいなものが拾えそうだなと。
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