ABBAッキオ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のABBAッキオのレビュー・感想・評価

3.0
 2020年豊島圭介。三島由紀夫が東大全共闘が占拠する駒場900番教室に招かれて行った討論会をTBSが記録した映像に解説映像をつけ加えたもの。今となっては貴重な歴史的映像だろう。東大全共闘は安田講堂闘争に敗れ、目的を失っていた。三島は全共闘の実力行動主義にある種の共感と期待を寄せていて誘いにのったのだろう。今日から見れば議論の文脈は作中の解説を加えてもなお分かりにくいだろうが、戦後体制がまだ正統性を問われていた時代。戦争の意義を問いなおした三島と戦後体制の曖昧さを攻撃した学生たちに世代を超えた対話が成りたった(ように見えた)ということなのだろう。もちろん三島には、左翼運動の過激化が政権を揺るがし、憲法変革を目指すプログラムがあったのだが、その失敗が彼を自決に導くことになる。
ABBAッキオ

ABBAッキオ