アンナ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のアンナのレビュー・感想・評価

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ピリピリした今にも暴動に発展しそうな緊張感に満ち溢れた討論を期待していたが、内実は三島由紀夫という人の論客に対する敬意と情熱をありのまま映し、人間三島由紀夫を見せられた映画だった。革命を起こそうとした全共闘に対立した三島もその一年半後に自らもクーデターを起こして失敗するが、失敗した理由は彼がカリスマにありがちなサイコパスではなく、人間味溢れる人だったからなんじゃないかと感じた。
途中に出てくる自分にしか通じない言葉で人をケムに巻くタイプの論客にも一言一言しっかりと聞いて答え矛盾点を相手を尊重する形で指摘する。その中にもユーモアがある。
昨今、詭弁を弄して相手を馬鹿にする事でなんの問題解決も目指さない人が論破王として持て囃され信者もたくさんいるようだが、三島由紀夫に論破してもらいたいと思った。
思想が強く出るドキュメンタリー映画はスコアはつけない事にしてます。
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