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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のshucoのレビュー・感想・評価

3.5
彼の著書は何冊か読んでいていつも楽しませてもらっていたけど死に様があまりにもドラマティックで人物像がいまいち掴めなかったこともあってこの映画を観てみました。
 
東大全共闘の学生さん達が三島由紀夫を大学に呼び出して討論会をしたドキュメンタリー。
三島由紀夫自身も学習院首席→東大法学部→大蔵省出身で彼らの話にフランス語やらドイツ語まで出てきたりもして100%理解はもちろん出来なかったけど、全共闘側と三島由紀夫側の言いたいことは伝わってきた。
昭和天皇の話は特に面白かったし、当時の時代背景も別に説明を入れてくれたこともあってわかりやすかった。

他者についての認識への問いにサルトルを出してきて1番の猥褻は縛られた女の裸を持ち出して主体性のある他者を主張したり、
認識と行動の二元対立について寺山修司とも交流があったなぜか赤ちゃんを連れてきていた学生、芥正彦と討論したり煙草をもらいあったりする場面も楽しめた。
たまに見せる三島由紀夫の笑顔が少年のようで戦後の欠落感や昭和天皇への個人的な思いを考えると純粋な人だったんだろうなと感じた。


三島由紀夫読了本

金閣寺
音楽
美しい星
美徳のよろめき
女神
永すぎた春
夜会服
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