紅海苔

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実の紅海苔のレビュー・感想・評価

4.8
傑作です。
でも、映画自体がと言うよりこの歴史的な討論会
に対してです。
この討論会、ほぼ伝説だったので、三島対東大全共闘の全面戦争かと思い込んでましたが違いました。

当時の学生さんの言葉は東大に限らず、観念的すぎて詩を聴いてるようでよくわかりません。簡単な話をわざわざ難しく話しているようです。それに対し、三島は学生さん達の意見を否定することなく丁寧に応酬します。時にユーモアを交え、それに呼応して学生さん達から笑いが巻き起こります。その振る舞いは正に大人です。そして知の巨人です。

イデオロギーの違いはともかく、三島と東大全共闘の目指すものは実は共通しているのではないかと気付かされます。

最後、東大全共闘の学生さん達に盛大な拍手で見送られた三島由紀夫ですが、あの自決の日、自衛隊員達はヤジで三島の言葉を遮り、帰れコールまでしたそうです。

*主催者の東大全共闘の木村さんの奥様と三島のやり取りは泣けました。奥様はずっとその内容を封印していたそうです。
副題の50年目の真実ってこれか!
*キチガイという言葉と喫煙率の高さがごく一般的な時代でした。
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