とも

耳をすませばのとものレビュー・感想・評価

耳をすませば(2022年製作の映画)
2.2
【辛口】
ジブリ版耳をすませばの、おじいさんにできた小説を見せにいくシーンが好き。創作物って、今の自分の全てを詰め込もうとするからこそ、本当は人になんてとてもじゃないけど見せられないもの。それを汲み取って、おじいさんが「すぐに読ませていただきます」ってなりふり構わずその場で読んでくれて、その場で言葉をかけてくれる。雫のやつれっぷりからも、あぁ、ほんとに向き合ってぶつけることができたんだなぁってヒシヒシ伝わってくるし、だからこそおじいさんの言葉一つ一つが染みるすごく重要なシーンだと思ってる。
だからこそ!あれはなんだ!?何で中学時代の好きな人に自分が書いた小説読んでもらえるんじゃ!無理だろ!!!それでせいじくん、すぐにも読まないで、「お前歌えよ」って歌わせてくる始末。後日、雫はほんとに読んだのかな…大丈夫かな…ってソワソワする感じもなく、「あ、この物語…」ってせいじくんから言われてあぁってなる感じ…なぜだ!?「才能あると思うよ」…。全く響かん。悲しい。

長々書いてしまった。けど、このシーンがどうしても許せなかった。

諸々の事情があってジブリ版とは沿えきれないところがあるのは理解しながら見ていたけど、それはどうなの…ってところがどうしても鼻についてしまった。

全体のストーリーとしては、中学時代⇄「10年後」って区切りすぎてしまっていて、よくある新社会人の悩みみたいなところからお話は抜け出せていなかった。
中学の頃から離れ離れで、どんなふうに二人は10年間向き合ってきたんだろう。一度も会ってないみたいだし、手紙も10年で一つの箱に綺麗に収まる程度だし、電話もあの意外そうな感じからはよくしていたわけではないみたいだし…。二人は高校、大学生と何度も何度も関係性を見つめ直して悩んでるはずなんだけど、なーんも葛藤してなかったようにしか見えなかった。
ファンは、そういう葛藤と、その先にある結末が見たかったんじゃないだろうか。

音尾さん!!!音尾さんが出てた!!!
とも

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