ブタブタ

さんかく窓の外側は夜のブタブタのレビュー・感想・評価

さんかく窓の外側は夜(2021年製作の映画)
2.0
原作のヤマシタトモコ作品は『違国日記』を読んでます。
本作は未読。
レビューを読むと可也違うみたい。
恐らく原作はもっと面白いと思う。

予告編にもある冒頭、アバンの三角のバイトする本屋に冷川がスカウトに来るくだりが一番面白かった。
その後焼肉屋で二人が契約を交わす場面での会話が、霊能とか心霊的な事ではなくはっきりと「能力」と言ってるのが厨二病なので気分が挙がる。
正直ここまでがピークだった。
原作漫画はBL誌連載で、でもBL漫画らしくないBL漫画らしい。
でも映画では岡田将生と志尊淳という美青年二人を主役に揃えて、よりBL的な雰囲気を醸し出してる。
おディーン様と岩ちゃんさんによる日本版ホームズとかやってたけど美青年コンビによる擬似的BLバディ探偵モノがこの先も作られるのか?

それとなんと言っても平手友梨奈さん。
この手の作品に女性が登場するとどうしても邪魔にしかならないのだけど平手さんって良い意味で女の子っぽくないと言うか、中性的で立ち姿や雰囲気何て美少年のソレだし実質的にこの手の作品における「美少年キャラ」だったと思う。
だから平手さん演じる非浦英莉可のキャラクターが中途半端で残念だった。
「呪いを操る女子高生」って謎の存在として登場して英莉可が実はあの教団を支配してるラスボスじゃなかったので肩透かしというか、
英莉可をやってるのが平手友梨奈さんなのでちっとも「可哀想な子」に見えない。
何で教団の言いなりなのか、その辺があんまり描かれてなかったし。
それと半澤刑事が追ってた呪いによる連続殺人も投げっぱなしだし、教団に操られてたとはいえ非浦英莉可に何のお咎めもなしでめでたしみたいなラストは納得出来ない。
あのラストは「人を呪わば穴二つ」で英莉可はそういう事何だろうけど説明不足で唐突なオチがいきなり来ても、ならもっと呪いの「返し」みたいな描写をちゃんと描いて欲しい。

教団の教祖の格好が「変な名前のパン屋」の仕掛人みたいで、インチキ野郎や詐欺師はああいう格好を好むのか?

『デッドゾーン』のヴィジョン能力みたいに、その人間の過去の世界とアクセスしたり、コトリバコを部屋や建物レベル迄拡大したみたいな「呪いの貯金箱」って呪いの増幅装置や、設定や舞台装置はスゴく面白いのにそれらをあんまり活かしてないというか、登場人物達の個人的な悩みとか内省的な話しに終始してしまって何か話のスケールが小さい。
もっと能力を駆使して悪霊や呪いとのバトルみたいなのを期待してた。

半澤刑事の霊的な事やオカルトを「信じない」って事が能力者達に対する「信じない能力」ってPKディック作品に登場する「反能力者」みたいで、そこももっと使って能力バトルに絡めるとか設定や世界観は大好きなお話しなので可也残念でした。
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