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モールスのUKIのネタバレレビュー・内容・結末

モールス(2010年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

先にレビューを読みたい気持ちをグッと堪え、観ました。
“LET ME IN”というタイトルからすごく惹かれるものがあってずっと観たかったんですよね。

不穏なシーンから始まるので、これ本当にラブロマンスのジャンルかって感じでしたが、
物語が進むにつれて納得がいき、引き込まれました。

一言で言えば、心惹かれた少女は人ならざるものだった、というストーリーですが実際はそれ以上に色々な感情が渦巻く物語です。
正直アビーがオーウェンの家の窓に立ち、入っていいかと尋ねるシーンの時点でアビーの正体がわかって全てが繋がりました。
しかしその事で一層アビーの複雑な感情が理解できるような気がしてとても切なかったです。

観る側の感情は切なさだけでなく、恐怖や愛おしさに深い悲しみを一度に感じるという珍しい映画です。残酷でグロテスクな側面と切なく儚いラブストーリー、そして美しさが奇妙に同居していました。
原作を観ていないのですが、これ単品の映画として観てとても素晴らしい映画だったと思います。
モールス信号で幸せなカップルのようなやり取りをする2人の一見ハッピーエンドのように見えるラストシーンも、
オーウェンの行く末を別の人間で見せられているだけに「良かったね!」と拍手をできるものではないですね。

その他諸々。
・キャリーやサスペリア等ホラーリメイク多いっすね。
・クロエちゃんが可愛すぎる。ヒットガールと同じ時期とは思えないほど大人びたミステリアスさがたまらん。
こんな魅力的なヴァンパイアなら喜んで添い遂げよう!さぁお入り!むしろおなしゃす!というへんた...紳士は大勢いるはず。
・でもちょっと待って、本人が言う通り女の子じゃないかもよ。
・野生的な動きで大人をぶっ殺して、血を啜ったその直後に愛らしい微笑を浮かべて出てくるアビーがまじ魔性。
・やられたらやり返せっていうのは、いざという時に残酷になれるかどうか試していたのではないか、自分の事を好きでい続けてくれるかどうかはどれだけ本気で自分を愛してくれているのか確認したのではないか、という予感が、オーウェンが「僕が黙っていたら〜」というシーンでの「見殺しにはしないはず」という一言で現実味を帯びてしまって悲しくなる。
・結局、アビーは恋心を利用しつつ、血を持ってくる人間を作ろうとしているだけなのかもしれないと思うとラストシーンが泣けてくる。
・バスタブで眠るクロエちゃんまじクロエちゃん。
・噛まれて一命をとりとめるとヴァンパイア化できるなら、ちょっとだけ噛んでもらってヴァンパイア化できないもんですかね。
というかぜひともお願いできませんかね。なんなら半分くらいいってもらってもいいんで。
・とりあえず個人的に5本指に入りそうなくらい好きな映画でした。
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