謎の多いマルタン・マルジェラが一体どんな人物なのか、この映画をみれば人となりが垣間見えるのではないかと思い劇場に足を運んだ。
マルジェラと近しい何人かのインタビュイーの貴重な話により、彼の人物像がぼやっとなりに浮かび上がる。
タイトルにあるとおり、彼自身の声で、彼自身の言葉で、しかし決して多くは語らない。
この映画は、マルタン・マルジェラ自身ではなく、ファッションとしてのマルタン・マルジェラを語っていた。
それは彼自身がファッションであるからで、彼を知りたいのであれば、マルタン・マルジェラを身に纏うことが最も近道であると思った。
彼が戻ってくることを切に願う。