Akari

パピチャ 未来へのランウェイのAkariのレビュー・感想・評価

-
自分のやりたいことを女であるという理由だけで制限されたり、男や宗教、権力に逆らうと命も狙われてしまう状況を考えると胸が苦しい。小さい一つひとつの場面に登場人物の痛みが克明に刻まれていた。ネジュマがつくるドレスは美しい、なぜならそれは自分たちのために作っているものだから。でもそれがめちゃくちゃに壊されたり、血が滲んでいる様子を見ると、どうして正当な理由なしに大切にしているものを破壊されるんだろうと思って怒りと悲しみが溢れる。ネジュマの姉、リンダが銃でうたれたときのネジュマの感情やリンダの血が染みたシルクの布を必死に消そうと洗ったり、ビーツやスパイスで赤色に染めているシーンがとても印象的だった。どういう気持ちでその布をファッションショーで身にまとったのかと思いを馳せる。
アルジェリアの女性の中にはたくさんの考え方や夢をもっている人がいる。そして置かれた環境や状況も人それぞれ。そしてひとりひとりが自分の人生を生きようと必死にもがいている。このことを思い出させてくれる映画。
Akari

Akari