空葉

マリグナント 狂暴な悪夢の空葉のネタバレレビュー・内容・結末

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

天使の名前を贈られた悪魔
記憶とともに姿も隠され、閉じ込められた片割れ
栄養や命を奪えど、与えてもらうことはない
欲しかったのは存在なのか居場所なのか、愛なのか

ガブリエルがシドニーに対して「お前がいなければ自分がマディソンに必要とされていた」と言うのも、母親に対して「自分を捨てた」と恨めしそうだったのも、観終わってから振り返ると切なくなってしまう

覚醒するきっかけも、マディソンが暴力を振るわれたことによるもので、マディソンを守ろうとしたようにも見える(一心同体であるから…ともとれるけれど)
留置所で暴走するのもマディソンが暴力を振るわれてからだし、マディソンが危機を感じると無意識のうちにガブリエルに助けを求めていたんじゃないか…?と考えてしまった
そして、ガブリエルは生きたいという意思が強いんだろうなと思ったりもした

ラスト、シドニーと母親を殺す幻を見るガブリエルの殺し方が、今までの医者や警官たちの殺し方よりも静かで綺麗に殺すのも、なんだか切なく感じてしまった

あれだけ恨み言を言っていたのに、残酷に苦しめて殺せる方法もできるのに、シドニーはあっさりと銃で撃ち殺し、母親は口を塞いで静かに窒息死させる(窒息は苦しいと思うけれど…)
もっと酷いやり方もできただろうに、綺麗な姿のまま残すのは特別な感情があるのかな…とか思ってしまった 特にお母さんには…

シドニーについても、自分がひとりの人間として生まれていたら、自分の義理の妹として触れ合えた存在かもしれないもんな…と

お母さんが「あなたたちを手放すべきじゃなかった」と告げて、あれだけ暴れていたガブリエルが話を聞いて大人しくなるの、そういうのに弱いんだおれぁ…

お母さんのことは屋根裏に閉じ込めてすぐに殺そうとはしなかったのも… なんなん…ガブリエル…
屋根裏≒隠された場所≒隠されたガブリエル
と考えると、自分自身が存在できる場所にお母さんを隠す→お母さんは自分のものにしたい
という意図もあったのかもしれない…と思ってしまう
何も与えられなかった自分だけれど、本当はお母さんの愛情が欲しかったのかな…

マディソンがガブリエルをコントロールする場面は、自殺してガブリエルと共に死ぬのかな…と思ったけれどそんなことはなかった!
閉じ込められたガブリエルだけれど、エンドロール前の電気の音で「これは…!」とドキドキさせるの、うわ〜となっちゃう

ガブリエルが殺すのを失敗したのは
・育てのママ&お腹の中のシドニー
・ケコア(シドニーのことが好き?)
・シドニー
で、どれもシドニーが関わっているのも意味深な感じがした

ホラー×サスペンス×アクションいろいろ盛りだくさん!でドキドキして観られて楽しかったなぁ
察しが悪すぎて、ビデオの中で「ガブリエルに鎮静剤を打って〜→あなたも眠いでしょう?」のセリフまで来てもどういうことなんだ…?と頭の上にはてなマークつけながら見ていたので、背中を映した瞬間にそういうことか〜!!!!とひっくり返る勢いでびっくりできた

主要人物の役者さんがみんな綺麗だったのも素敵だった 特にシドニーの方が好き…
続編がもし出来たりしたら、シドニー×ケコア×鑑識?の子との三角関係的なものが見られたりするのか…?
そして、ガブリエルによるものだとはいえ、自分の身体であれだけの人を殺してしまったマディソンはあの後どうなっちゃうのだろう…

そしてペースメーカーの暴走で死んでしまったおじちゃんが可哀想でちょっと落ち込んでしまった そんなぁ…
空葉

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