ジェームズ・ワンの原点回帰であり総決算、ウルトラバイオレントなホラーアクション。
同時にジャンル界隈で目ざましい活躍を続ける盟友リー・ワネルへの回答。
メジャーに行っても俺は昔のままだぜ、的な。
とにかくジャンルの転調が激しく飽きない。
どこへ連れていかれるのか。
何段階かギアが上がるが、終盤のドライブ感は凄い。
ベースとなるジャンルに疎いので漠然としているが。
VHS時代のビデオ屋ホラーコーナーのいなたい禍々しさというか。
見てはいけないものを覗き見る感じ。
監督のテクニックは言わずもがな。
手際のよいキャラ紹介、状況説明。
長回しセットぶち抜き間取り解説は定番。
追跡劇に始まるアクションも見応えがある。
『ソウ』のアップグレード。
クライマックスの大立ち回りは否が応でもアガる。
『アクアマン』のオープニングはこのためだったのか。
ホラー定番外しも笑える。
全体的にユーモア強めなので陰惨さは皆無。
キャラクターの魅力。
不快なキャラは一人もいない。
妹ちゃんの心強さ、抜けの良さ。
刑事のキアヌ感。
裏表のないフレッシュさ。
若干の不謹慎さを感じつつ、時代性を捉えたメッセージ。
束縛や支配から自由を奪い返す話。
察しが良いと大オチは見えてしまうかも知れないが、それでも面白い未知に溢れている。
ただ、過激なホラーへの耐性は必須。