しぇんみん

マリグナント 狂暴な悪夢のしぇんみんのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
4.0
妊婦のマディソンは、夫の暴力で頭に怪我を負った日の夜、家に侵入した謎の影に襲われ気を失ってしまう。

目が覚めると、彼女は夫とお腹の子を失っていた。

驚き悲しみに暮れる彼女だったが、この日を境に、目の前で生々しい殺人が展開される悪夢に悩まされるようになる。

彼女は夢で見た殺人が実際に起きていることを知り、自身が殺人鬼に操られているのではないか、と感じるようになるが…。

ジェームズ・ワン監督の手による衝撃作。

本作は、ホラー映画の古典的な要素と現代的な映像表現を融合させた独創的な作品だ。

特に暗闇の表現が秀逸で、観客の不安を煽るのが上手い。

シネスコサイズを最大限に活かした横長の画面構成が印象的で、"殺人鬼"の出現シーンは、鮮やかな色彩とダイナミックなカメラワークにより、不気味な音響とも相まって圧倒的な迫力で見せ付ける。

また、マディソンが過去の記憶と向き合い、協力者とともに真実を解き明かしていく過程は、サスペンス要素満載で思わず引き込まれ、観客を飽きさせない。

そして真相が明かされる驚愕のラストバトル。

あの"殺人鬼"による無双アクションは、映画史に残る必見のシーンではないかと思う。

とにかく、ストーリーテリングと映像表現が上手い作品だった。

ホラー映画好きはもちろん、少々苦手な方も観て損はない作品だと思う。

2024/05/23
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