ノラネコの呑んで観るシネマ

ゾッキのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ゾッキ(2021年製作の映画)
4.0
大橋裕之の漫画を原作とした、秘密と嘘に纏わるオムニバス。
生きるには秘密が必要だと語る爺さんから始まって、エロ本と共に旅する男、何気ない嘘が親友の人生を変えてしまった少年、失踪した父ちゃんとのホラーな思い出、判で押したような毎日を送る少年などのエピソードが続く。
とは言っても、明確に話が分かれてるのではなく、とある海辺の街を舞台に、それぞれのエピソードが少しずつオーバーラップしながら全体を形作る。
倉持裕の脚色が巧みで、男の子のスケベ心をベースに置いたりして工夫をこらし、全体としても一体感を持たせている。
それぞれの話には特にオチがある訳じゃないし、やたらとキャストが豪華なので、下手するとバラエティ的なノリになってしまいそうだが、竹中直人、斎藤工、山田孝之の三人の監督は、世界の小さな断片を組み合わせることで、なかなかに味わい深い作品に仕上げている。
九条ジョーのキャラが強烈。