えいこ

MINAMATAーミナマターのえいこのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
4.7
今もなお苦しむ人のいる深刻な公害被害について、写真家ユージン・スミスの関わりにスポットを当てて描いた作品。

痛ましい被害を写しながらも、映像の美しさや構図が印象的。音楽や水音などの音響(もちろん静けさも)も効果的。ピアノがよいと思ったら坂本龍一でした。
史実ベースだけに、物語の起伏は少ないが、海外作品でも活躍する俳優陣が渋めの演技で魅せる。実際の写真を挟み込むことでメッセージ性がまた増している。ユージンの言う「1000の言葉より語る」と言ったところか。

水俣病に限らず、環境汚染や公害による被害は現在も世界で発生しており、企業による隠蔽や国による矮小化により苦しんでいる人々は数多いる。かつてLIFE誌によって知らしめられたのと同様、今アメリカ映画として水俣が描かれる現実を重く受け止めねばと思う。
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