2020年 アメリカ🇺🇸イギリス🇬🇧
アメリカの報道写真家ユージン・スミス
彼が来日し“四大公害病”のひとつ水俣病を取材し写真を公表するまでを描いた映画
発展途上の国では経済成長のためだと企業の強引で身勝手な行動は黙認されがちで、その被害を被るのはいつも無力な一般の人々
それは高度経済成長期（1950〜70年代）の日本も例外ではなくて大手企業は人体に悪影響を与えると知りつつ有害物質を平気で垂れ流してました
その結果が水俣病に代表される公害病
誰が悪いか何が体に悪かったのかハッキリしているのに無視され続けた多くの犠牲者
彼らは身体的障害を持つだけでなく今でも中傷や差別の対象にも…
本作はスミス氏の眼を通して見えた水俣病
ある程度の脚色はあるとは思いますが事実を忠実につくろうとしている製作者の意思が伝わってきます
アメリカ人監督がその多くの場面を海外で撮影しているのにも関わらず全く違和感なし
その要因のひとつが日本人の役を日本人俳優が演じている事でしょう
しかも真田広之、國村隼ですからね
ヘタな邦画を観ているよりもしっくりくるし安心できます
主演のジョニー・デップはいつもの怪演を抑えに抑えスミス氏になりきってました
本作のプロデューサーも兼ねてます
しかしそれが、裏目に出たのか
彼の良くない評判のせいで未だに全米公開日が決定していません
公害はまだまだ多くの国で進行形で起きている問題で、本作のように犠牲者にスポットを当てた映画は主演俳優云々以上に大きな意味があると思うのですが
【余談】
東京もひと昔前まで「光化学スモッグ注意報」をよく聞いていたし、東京湾の底はヘドロだらけで神田川は臭かった！
